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阿蘇市のサイクリングツーリズムに学ぶ

行政視察の一環で、阿蘇市ではサイクリングツーリズムについてヒアリング。
私は自転車で議会に出勤することも多いですが、佐久市を自転車で走るのはとても気持ちいい。観光のポテンシャルも大きいと感じていますが、一般の方の自転車ユーザーも少なければ、サイクリングツーリズムもまだまだです。

■阿蘇市での取組み
阿蘇地域では広域で「コギダス」というサイクリングツーリズムの仕組みを構築。
トップの写真を見るだけでもこぎだしたくなりますよね。

観光客が利用しやすいのは下記が大きい。
初級~上級まで様々なコースが用意されていること
まちぐるみでサイクルステーション(空気入れ・駐輪場)を設置していること

興味深いことは阿蘇市ではもともと住民は自転車に乗らず、その魅力に気づいていなかったこと。その中で、「サイクリストにやさしいまちをつくる」を標榜し、各区に、最近自転車に乗っている人がよく通るでしょう?その人たちは”サイクリスト”と言ってね…と丁寧に説明を重ねたこと。目指したのはまち全体でのおもてなし

その中で、サイクルステーションの協力場所を募集しつつ、サイクリングにより農道等で住民の邪魔になってしまっている箇所の把握をし、道路の整備も行ってきたとのこと。

また市民文化・市民理解の醸成の一環として、子供向けの自転車公園も設置。

これはもう毎週こどもと通いたい…
キッズ向けのバイクトライアル教室も開催。

観光客向け、区向け、市民向けと重層的に取組みを行っているところが重要。
そして運営体制にサイクリストに詳しい民間事業者に入ってもらっており、自分たちだけではできないと話されていたのも印象的でした。自分たちでできる範囲を理解し、民間の力を活用すること。当たり前のようで行政には意外と難しい。

佐久市でまずできることとしては、
・まずサイクリング事業を実施する事業者を支援すること
・そのうえでサイクリングコースを再編成し、プロモーションをかけること

改めて後押ししていきたいと思います!

※画像はいずれもコギダスHPより

佐久新校(野沢新校)のあり方を議論する


野沢南高等学校を発展させる会の総会にお招きいただき、高校生や保護者の方、OBOGとともに新校の在り方についてワークショップ形式で議論しました。楽しかった!

■教育について
「正解のない時代に生き抜く力をつけたい」と多くのグループが発表していたことが印象的でした。若者は自分たちが生きていく時代の変化をひしひしと感じているんだなと。
そして、AIなどの時代に合わせた学びが必要と話す一方で、歴史や過去に学び、戦争を後世にも伝えていきたいとも話してくれました。

私からは、下記を含めた教育を期待していることを伝えました。
・自分で問いを立て、自分なりの答えを見つける力
・誰よりも自分が納得して判断をしていく力
・国や宗教を超えて、多様な価値観に触れる機会(戦争は日本では被害の側面に触れる機会が多いですが、アジアに出るときには加害の側面を理解しておかなければならないなど)
・様々な生き方に触れる機会(起業家、政治家、社会人大学生など、会社員ではない、様々な生き方を知ってほしい)
・地域の仕事を知る機会(一度外に出たとしても戻ってくる土壌をつくっていく)

■施設について
下記のような意見がでました。
・自転車通学時の安全性の確保
・下校時の安全性の確保のための街頭の設置
・学校へのシャトルバス(ゆくゆくは自動運転)
・グラウンドへの街頭の設置
・保護者負担軽減のための、学食やコンビニの設置
・下校後に立ち寄れるまちづくり(ポエムはレトロ喫茶として立ち寄ったことがあると聞いて嬉しい!)

私はちょうど先週の行政視察で庁舎のデザインや内装は労働環境として大切だと感じる機会があったので、生徒の創造性を育む明るい色使いの内装と、あとは風通しのよい校風づくりとして開かれた校長室や職員室づくりを挙げました。

特に自転車通学の安全性は私も自転車通勤組なのでとても共感。
市議としてできることも整理していきたいと思います。

■その他
興味深かったのが、奨学金や税金のことなど「お金の勉強をしたい」という意見。でもお金の何が分からないかが分からないので、働いて給与明細を見て考えることがいいのではと話し、アルバイトを認めてほしいという意見がありました。お金の勉強から社会を考えることはとても大切。これも何ができるか考えていきたいです。

その他も色々意見がでましたが、とても有意義な時間でした。野沢南高等学校を発展させる会の皆様、有難うございました!

消防での女性が働きやすい職場づくり

佐久市議会の9月定例会は終わりましたが、今月は佐久広域連合の定例会があります!

佐久市議会の議員は複数の自治体で共同運営する事業を管轄する「一部事務組合」の議員も務めます。
私の中でも佐久広域連合と佐久水道企業団の議員も務めています。

◎佐久広域連合の仕事は?
・消防
・特別養護老人ホーム
・火葬場
・介護認定審査会
・成年後見人支援センター
などがあります。

今月の定例会に向け、消防、特養、火葬場、介護認定等についてヒアリング。

消防では女性が働きやすい施設整備やハラスメントのガイドラインの整備、日勤救急隊などの柔軟な働き方の導入が進んでいました!

女性割合は4%と国が掲げる5%までもう一息。

(写真は佐久広域連合の事務所入口だと思ったら違ったのですがこれしか撮ってなかったのでとりあえず😂)

#佐久市
#サクノミライ
#佐久市議会
#地方議員

四登なつき活動レポート(2025年7月)

こんにちは!佐久市議会議員の四登(しのぼり)なつきです。
6月議会のレポートをごく一部でしかお渡しできていなかったため、こちらでも公開することと致しました。ここが知りたい、議員のここが分からないなどありましたらお気軽にご連絡下さい!

 

議会だよりにむけて

議会だよりを作成する広報公聴特別委員会に所属しています。

佐久市の議会だよりでは毎回冒頭で市民活動を紹介しています。次号の担当となったので、野外での音楽活動を行うSakk Poranoの柳澤拓道さんと内村智子さんに取材させて頂きました。

「佐久市の街に音楽が溢れるように」と話すお二人が素敵でした。詳細は次回の議会だよりをお楽しみに!

議会だよりのバックナンバーはこちらから。

 

自伐型林業の可能性

 

御代田町の林業藝術社さんの現地サイトを会派で視察させて頂きました。
職人技でもあり、芸術でもあるその森の整備の在り方に感動してしまいました。

日本では森林資源の管理は森林組合や大規模林業事業体が担うことが多いです。
また国の政策としてもその方向性を作ってきました。

その結果、現在多くの課題が出てきています。

①山と人の関係が遠くなった
・山の整備を外部に委託することが増え、地域の人が山に足を踏み入れない環境ができる
・佐久地域も70代以上の方は、山に足を運ぶ機会がありましたが、それ以降、どんどんと少なくなりました
・山林が「ただ預けるだけの資産」に

②効率性を重視し、災害リスクが高まった
・採算性の観点から一度に大きな面積を伐採する皆伐施業をとることが多い
・皆伐による地表の裸地化で土壌流出、保水力低下、生態系の単純化等が進み、豪雨災害リスクが増大
・大型機械導入や作業道の新設を前提とする施業となり、特に中山間地や小面積林地では採算が合わず、事業化できない「放置林」が増加
・皆伐は再造林を前提として考えられていたが、資金不足や担い手不足等で適期施業に至らない

もちろん森林組合や大規模林業事業体も新たな連携や手法の開発を進めているところではありますが、今日はその中で今後広がりが期待される自伐型林業の現場をご紹介。

自伐型林業では、幅2.5mの林道を作っていくことが基本です。なぜ2.5mかというと、軽トラで通れる幅でありながら、災害リスクを減らせるからです。この幅を広げると壁面の高さを高くする必要がでてきてしまい、土砂崩れのリスクが高まってしまいます。(よく山道を自動車で通る際に壁をコンクリートで固めている景色がありますが、あの状態になります。)

そして林道は適切にカーブを作ります。皆伐を目指した場合、幅は広く、目的地まで直線で作った方が効率的ですが、雨量が増えた場合に水がストレートに流れてしまい、災害のリスクが高まります。

また、林道に草が生えづらく、草刈りの手間を発生させない仕組みも可能です。
林道を作る際に土を掘り返しますが、奥深い栄養の少ない土を林道に使用し、栄養の多い土を植生を豊かにしたい脇に使用することで、林道には草がなく、周辺には植物が育つという環境づくりが可能になるそうです。 

水の流れを読み、沢からの水が林道を取った後、林道外に流れるように、土に若干の傾斜をつけて、沢から流れてくる水を誘導します。(沢は水により通り道ができているため、水がない時は人にとっても歩きやすそうに見えます。そこに林道を作ってしまいがちですがそうすると災害時に一気に水が流れ込んできてしまいます。)

また、林道では、水を細かく切る=脇に流す仕組みも重要です。ここではそこに生えていたカラマツを丸太に活用していています。資材費ゼロでできてしまう。

これまでの林業では1日150mの林道づくりが可能ですが、自伐型林業では、(同社の手法の場合)1日に頑張っても20mしか作れません。それでも、水の流れを読み、植生を活かした森づくりを行うことによって、何十年と災害を起こさせない森づくりを行っていくことが可能だそうです。

林業藝術社では地域の人も巻き込んだ森づくりも進めています。
その森とずっと付き合っていくという想いを込めた森づくり。
次の世代まで繋がっていく森づくり。
そんな可能性を自伐型林業は持っています。

(もちろん自伐型林業といえどその質がまちまちなこと、自走が難しいことなど、自伐型林業としての課題もあります。)

政府も「多様な林業の担い手の育成」を骨太の方針に入れました。
とはいえ、長野県内でもごくわずかしか自伐型林業を行う人材はいません。
森と地域を繋ぎたい人や、自分らしく森に関わりたい人が、その一歩を踏み出せる後押しを、全国3位の森林率を持つ長野県だからこそ、進めて行く必要があると考えています

若者がもっと自己表現できる街を目指して

信州アーツ議連に入りました!

議員連盟とは地方議会に所属する議員同士が、共通の政策課題やテーマについて情報交換・調査研究・政策提言を行うために結成するグループです。

信州アーツ議連は下記を目的としてとしています。
① 地域の文化芸術振興
② 長野県による「アートを活用した学び」事業の推進
③ 文化芸術を活用したインクルーシブな社会の実現
④ ヘルスケアアート
⑤ デザインの力を通じた安全で快適な良いまちづくり

私は佐久市は若者がもっと自己表現できる/しやすい街になっていく必要があると考えています。
その手段の一つが文化芸術の振興にあります。

不確実性が高く、これが正解と言える人生や生き方はもうありません。
自分の想いを自分らしく伝える、伝えて良いと思える環境づくりを、学校教育でも、まちづくりでもしていく必要があると感じています。

まだまだ詳しくない分野なので、是非皆様のご知見をお借りさせてください🎨

議連メンバーは皆さんは芸術のバックグラウンドのある素敵な方々で、子連れ参加も温かく迎えて下さいました✨

#信州アーツ議連
#佐久市議会
#サクノミライ

 

 

地方議員が胸に刻むべき10のこと

スタートアップ創業者が胸に刻むべき10の教訓(10 startup lessons I’d tattoo on every founder’s arm)」という投稿がアメリカの掲示板サイトで話題、ということで、地方議員版をChatGPTに聞いてみました。

地方議員が胸に刻むべき10のこと

  1. 住民は有権者であり生活者である
    選挙のときだけ見ない。365日、彼らの声を聞け。
  2. 声の大きさと重要性は比例しない
    苦情電話が1件でも、背後に100人の沈黙があるかもしれない。
  3. 全員に好かれるな、信頼されよ
    意見が分かれるのは当然。でも誠実さは信頼に変わる。
  4. 「反対」は批判でなく関心の証
    議会でもSNSでも、反対意見を封じるな。磨け、論点。
  5. 行政との関係は距離感が命
    近すぎれば馴れ合い、遠すぎれば空回り。信頼と緊張の間に立て。
  6. 「質問」は攻撃ではない
    良い質問は、行政も住民も動かす。事前準備が9割。
  7. 政策は成果で語れ
    提案はスタート、実行が本番。数字と実感を見よ。
  8. 議会は舞台、裏方も磨け
    本会議の発言だけでなく、委員会・勉強会・調整も本気で。
  9. 選挙は評価の機会、任期中が勝負
    任期は短く、影響は長い。4年間の使い方が次を決める。
  10. 初心を持ち続けることが一番難しい
    議員室の机に「なぜ立候補したか」を貼っておけ。

議員生活2カ月としては実感に近いですが、また時折見返して、あるべき姿を考えていきたいと思います。

地方議員の公約には意味がないのか?

都議選の中で、「地方議員の公約には意味がない」「どうせ実現できない」という声があります。果たして本当にそうでしょうか.。

確かに、地方議員は市長のような執行権を持っていません。
一方で、地方議員には「一般質問」という強力な手段があります。これは、行政の政策や事業の進捗、課題や今後の方針を市民に代わって問いただすことで、市政の方向性に実質的な影響を与える力を持っています。

例えば会津若松市では、一般質問について下記のように説明されています。
「一般質問とは、議員が、市の一般事務に対してその執行の状況又は将来の方針、政策的提言や行政の課題などを市長などの執行機関に直接質すことです。」

私の場合、今回の6月議会では「佐久市役所の組織づくり」を取り上げました。これが、すべての事業の根幹になってくるものだと考えているからです。

佐久市では近年、毎年20名を超える退職者や年によっては10名を超える休職者がいます。若手の退職には、キャリア形成の実感不足、という要因がありますが、その中にあっても、佐久市役所ではキャリア面談やキャリアシートの作成・運用等のキャリア支援が行われていませんでした。そこで、キャリア支援が必要ではないかということを問い、実際にキャリア面談の実施を通じたキャリア支援の検討が始まることとなりました。

また、管理職の評価基準に定める能力やスキルがある中で、それらを磨いていくための研修体系もない状態でした。そこで、研修体系の整備の必要性について問い、研修体系の検討が始まることとなりました。

これらは、議員になって2カ月弱で起きた市政の変化です。

公約は地方議員として、自分がどういった方向性で質問権を行使していくのかを示すものだと考えます。公約に基づいて行政に働きかけることは、市民との約束を果たす第一歩です。地方議員の投票においても、公約が見られるようになってほしいと個人的には思います。